本間るみ子オフィシャルサイト

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十勝のチーズ工房を巡る旅 Vol.2

■TOYO Cheese Factory

2日目は「TOYO Cheese Factory」からスタートです。
私たちを迎えてくれたのはオートバイとホクホク牛乳の車。

車好きの長原夫妻。ふたりともハンドルを握ったらぶっ飛ばします。

十勝は農業王国であり、酪農も盛んです。
東陽製袋株式会社の新規食品事業部として、2020年3月のコロナ禍の中、チーズ工場が落成こそしたものの、世界的なパンデミックにより計画は白紙になってしまいました。
しかし、社長の長原覚氏はそこで諦める人ではありません。

通常販売できないのであれば、会員制にして会員限定で届けようと、10年間も試行錯誤して完成した美しいパッケージの「age」をオシャレなパッケージに仕立てて販売がスタートしました。
製造担当者は社長の甥っ子の七海一樹さん。フェルミエ主催のツアーで訪れたフランスはコンテで、造りたいチーズがひらめいたと言います。十勝管内の4牧場の生乳を自社のタンクローリーで集荷して、それぞれの乳にあったチーズを製造しています。
営業を担当するのは、2021年のMondial du Fromage(フランス、トゥールで開催)で見事世界3位に輝いた長原ちさとさん。チーズプラトーのセンスはもちろん、営業力もハンパありません。チームワークの良さは家族だからでしょう。お互いに支えあいながらも品質にこだわり、お客様を大事にしてきたからだと思います。
今回の旅のコーディネートをすべて任せられるのは、すべて彼女のおかげ。今回も胸が熱くなる訪問でした。

チーズ製造は2階からガラス越しに見られます

製造担当は七海一樹さん。Age07は七海の7とのこと。
美味しさの秘密は七海牧場の乳だけで製造するからです。「鰹」は日本酒と合わせて、いかが?

■しあわせチーズ工房

「しあわせチーズ工房」を訪ねるのは何年ぶりだろう?
私たちの到着を待っていてくれたのは、本間幸男さんと「ありがとう牧場」の吉川さんでした。足寄町の茂喜登牛(もきとうし)地区は急な土地が多く畑作に向かないこともあり、酪農が盛んだといいます。この「茂喜登牛」という名前、実は牛の種類ではなく、土地の名前なのです。

ここでチーズ職人として働く本間幸男さんは長野県、八ヶ岳や蓼科高原に囲まれた自然豊かなところで育ち、チーズ職人を目指したといいます。共働学舎で学び、つぎに出会ったのが「ありがとう牧場」の吉川さんでした。搾りたての乳でチーズをつくればいいと、資金提供までしてくださり、ありがとう牧場のとなりに幸男の名前がついた小さな工房「しあわせチーズ工房」が誕生したのです。

牛たちに会いに行くにはちょっと遠すぎるので、育成牛を連れてきてくれました。
人懐っこい牛たち。ホエーをおいしそうに飲む豚さんもいました。
工房にはこだわりの銅鍋が!放牧牛のミルクでチーズをつくるこだわりの職人!
しっかりものの奥さん、ひとみさんにお会いするのは初めて!
ランチはチーズサンドと牛乳とこだわりの珈琲、そしてアイス。
移動中にageバーガーもいただきました。

幸せそうな牛たち

黒い豚もしあわせそう!

製造所は銅鍋がピカピカに磨かれてつるさせていました。

本間幸男さんとひとみさん

放牧牛乳、アイス おいしかった

■十勝ヶ丘ワイナリー

しあわせチーズ工房から70分。
十勝ヶ丘ワイナリーに到着。十勝のぶどう園で育てたぶどうで高品質のワインを丁寧に醸造するワイナリーは2020年に建設が始まり、2025年1月に完成。4月15日に落成式が行われました。十勝品質事業部の佐藤理事長に案内していただきました。
オーガニックの「山幸」と「清舞」。12,800本の生産を見込んでいるとのこと。

■十勝ラクレットモールウォッシュ 熟成庫

続いて、十勝ブランドの「十勝ラクレットモールウォッシュ」熟成庫の見学です。
十勝管内で搾られた生乳を100%使用し、十勝の職人がつくる共同規格のラクレットチーズを、十勝川に沸くモール温泉水で磨いて仕上げる特別なラクレットです。

農水省からGIに認定された「TOKACHI PRAIDE」。
製造室ではないのに、携帯電話以外はすべて外して、白衣にマスクをつけての見学です。
熟成室に並ぶ2,000個ラクレットは6つ工房でつくられたもの。
熟成は人手がかかります。それを熟成士が徹底管理することで質の高いラクレットを安定的に提供できることはすばらしいと思います。
試食のラクレット、美味しくいただきました。
宿泊は十勝川温泉。私たちもモールウォッシュされてピカピカです。

■鈴木牧場

さて、いよいよ旅も最終日。十勝川温泉から南に80分下ります。
太平洋沿いにある、TOYO Cheese Factory が契約する鈴木牧場です。
晴天で潮風を感じる放牧地の牛たち。むしゃむしゃ元気に草を食む咀嚼音が聞こえてきます。

最高のお天気と潮風感じる放牧地の牛さん

むしゃむしゃ元気に草を食む咀嚼音が
生きる力を感じさせてくれました

鈴木牧場の4代目、敏文さんからお話を伺いました。地球にやさしい循環型酪農を目指してオーガニック認定グラスフェッド規格を取得。獣医師の奥様のなつきさんのアドヴァイスで今のスタイルに変更。おかげで牛たちのストレスがなくなったと言います。
冷凍牛乳とオーガニック生乳のチーズ2種を試食させていただきました。

最後に、牧草を主食にする乳牛は、そのままでは塩分を摂取しにくいため、ここでは塩をつくっているというから驚きます。牛のために始めた塩づくり、なんと人間用にも販売していました!

1トンの海水をいれて5日間煮詰めてつくります。
燃料は薪を使うことで遠赤外線効果でよりおいしくなるそうです。 塩の製造過程ででる「にがり」は畑のマグネシウム不足を補うので、堆肥と一緒に畑に散布。

■加藤牧場

次に訪ねたのは、140頭のホルスタインと80頭のジャージー牛を飼育する加藤牧場です。加藤会長が馬と一緒に私たちの到着を待っていてくださいました。
会長は73歳、学校給食で飲んできた脱脂粉乳と友人宅で飲んだ牛乳の美味しさの違いに衝撃を受け、実家の畑作農家を継がず、酪農の道を選んだといいます。
道内の研修を経て、単身でカナダに。糞尿を堆肥にして畑に還元して、良質な土から牧草をつくる仕組みを実現しようと3年後に帰国。お父さんが買い取った土地で12頭のホルスタインを育てるところからスタートしました。
2006年からは飲むヨーグルト、アイスクリーム、チーズ、バターを製造しています。

優しい笑顔の加藤会長。
牛ではなく、馬をと一緒に迎えてくださいました。

日本には10,000頭のジャージー牛がいると言われます。北海道には約800頭。その1/10が加藤牧場にいるということですね。

■あいざわワイナリー

旅の締めくくりは十勝に56年ぶりにこの地に誕生したというあいざわワイナリー。
池田町の十勝ワインは道産ワインの草分けとして有名ですが、あとに続くワイナリーは出現しなかったといいます。相澤一郎さんのお父さんは不動産業の傍ら山林や原野を2ヘクタール購入して畑をつくり、ぶどう栽培を始め、いつかワインを造りたいという夢を持っていました。その夢を一郎さんと里奈さんご夫妻がついに実現させたのです。
寒暖差が大きく、ぶどうの栽培は不適地と言われていましたが、寒冷地でも育つヤマブドウ系のハイブリッド品種である「山幸(やまさち)」と「清舞(きよまい)」からオリジナルのワインが完成したのです。

今回も学びの多い、楽しい旅になりました。
コーディネートの長原ちさとさんに感謝です。

おわり

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