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チーズで巡るロンバルディアの旅Vol.2

2日目(9月13日)はカザリゴーニ(Cas‘Arrigon もとアルゴーニ社)へ。案内は営業&広報担当のアデーレです。
実は、私はそれまでタレッジョはサッシナ渓谷の洞窟熟成が最高だと思っていました。ところが1997年9月、第1回目のブラ祭りで、タレッジョ渓谷で熟成したタレッジョがあることを知り衝撃。さっそくそのタレッジョと対面しようと訪れたのが1998年。それ以来アリゴ―ニ社とは四半世紀の長い付き合いです。

■カザリゴーニのチーズ工房「サンタントニオ・ヴァル・タレッジョ (St. Antonio Val Taleggio)」へ

工房ができてからちょうど30年。この日、私たちを迎えてくださったのはアルトゥーロさんです。以前の訪問時から比べてショップは広くなり、カフェが併設されていました。 濃厚なヨーグルトとカフェをいただいたあとはゴルゴンゾーラの原型と言われるストラッキトゥン(Strachitunt)の見学です。ゴルゴンゾーラはもともとストラッキーノ・ディ・ゴルゴンゾーラという名前だということは知られています。現社長のアルバーロの努力のおかげで2014年にDOPに指定されました。無骨でカビが均等にはいっておらず、イタリアでも知らない人が多いのは仕方ないかもしれません。
工房ではカードのカッティングをしているところでした。カットを終えて攪拌をしてヘーゼルナッツの大きさになったら、となりのバットに入れてホエーをあらかた抜いたところで、いよいよ型詰め作業です。
型に出来立てのカードを入れたら、昨夜の冷たいカードを適当にとって入れて、その上に温かいカードをいれる作業を繰り返します。カードが冷めないように、スピーディに作業することが重要です。そのため、手袋をしていては感覚がつかめないから素手で行っているとのこと。あっという間に型入れが終わり30~45分後には反転、翌日には商標を入れて、加塩をこすりつけて6日間寝かしていきます。
アルトゥーロさんはお金をもらって筋トレしていると楽しそうに笑ってプロセスを丁寧に話してくれました。チーズ通たちのために珍しいストラッキトゥンの製造を見せてくれたことに感謝しなればなりません。
楽しい見学後はお買い物タイムです。店頭は無殺菌乳製タレッジョなど気になるチーズが揃っていました。


新しくカフェスペースができました。
カフェとヨーグルトを食べながら景色を堪能


販売コーナーは夏のアルペッジョのタレッジョも並んでいます。


凝固したカードをスパンナローラ(大きな銅のお椀)で大きめのカードにカットしたあと10分ほど休ませてから


ワイヤーで大きめにカットして5分休ませます。


この状態で試食させていただきました。
おいしい!

カードの状態を確かめてから型入れされます。
柔らかかったカードの上に膜ができたような状態になります。

カードをバットに移す作業はスピードが勝負です。

温かいカードに前日の冷たいカード一握りを2回。
その割合は人それぞれ。ひとつずつ違うチーズになるんだよ、とアルトゥーロさん。


型入れが終了!お疲れ様でした。

■チーズ農家 LOCATELLI GUGLIELMO&COに立ち寄って

今もアルペッジョでチーズを製造するロカテリ一家。80頭のブルーナ・アルピーナ牛はまだ山の中。もう10年以上経ちますが、グリエルモ・ロカテリさんのアルペッジョを訪ねたことがありましたが、あの日のことを思い出して懐かしくなりました。
3代目のマルコさんに牛舎を案内していただき、牛たちと写真撮影!牛舎に残されているのは未経産牛ですが、大事にされていることがわかります。牛たちにたっぷり癒されてカザリゴーニ社に向かいました。

小雨が降りだしました。牛たちは雨やどり。


牛舎の牛たちは私たちに興味津々


アデーレは話をしているみたい。

自動給餌機が優れていてびっくり。


ロカテリ家の熟成室に並ぶタレッジョ

■カザリゴーニ(Cas‘Arrigon)

私たちの訪問を待っていてくれたのは、社長のアルバーロと、工房で仕事をしている妻のティナでした。
オフィスはモダンでセンスの良さは驚きます。午前中の作業が終わらないうちに作業室を見学です。
カザリゴーニのタレッジョの外皮はオレンジ色。しっとりと濡れて、中は柔らかくむっちり。塩味が控えめで、ほどよい酸味があり余韻が長く多くのファンがいます。おいしさの秘密は徹底的に磨き作業にこだわり、手間暇をかけているからだと思います。
二人が一組になり、チーズをお湯で丁寧に洗うというよりブラシでリズミカルに擦っていきます。かつては素手で行っていた作業は、EUの衛生管理でビニール手袋が必要になりました。ロットごとに手袋を変えるため、ごみ箱にはビニール手袋が山積みに捨てられていました。美しく磨かれたチーズは布を敷いた木箱に8個ずつ入れて熟成庫に運ばれます。熟成庫の湿度は80~85%ですが、微調整は布の役目です。取り換えは1週間に1度といいますから、洗濯も大仕事です。
ちょうどお腹が空いたところで、ランチタイムとなりました。


カザリゴーニ社


モダンなオフィス


タレッジョを入れていた箱はパンフレットが入っています。


「タレッジョをブラッシング(擦る)作業はペアでリズミカルに!(動画)」お湯で丁寧に擦っていきます。


仕上がったチーズは丁寧にチェックして包装されます。作業しているのはティナの弟マルコ

■チーズたっぷりランチ

ランチはパンとチーズとプロシュート&サラミがたっぷり。DOPを持つクワルティローロ・ロンバルド、サルヴァ・クレマスコ、ストラッキトゥン。そして昨年開催されたワールドチーズアワードでスーパーゴールドを受賞したロッコロやトリュフ入りチーズなど、食べ放題!ワインと合わせて話も弾みます。


チーズ好きのメンバーばかり。
ティナもアルバーロも大喜びです


チーズ持ち込みのランチ


左から社長のアルバーロ、妻のティナ、娘のアデーレ

■カサ・デル・ベルガモ

食後は空き家になったティナのおじさんの家を改築した「カサ・デル・ベルガモ」を見学。昔の道具が置かれた部屋、熟成庫もあり、モダンなキッチンがあり、センスの良さに唸ってしまいました。


美しい景色に癒されます。


カサ・デ・ベルガモ


昔のチーズ製造の様子


熟成庫にあるのはホンモノのチーズ
冷蔵設備のない条件で熟成状態をチェックしています。


美しい自然のカビが生えていることを確認!

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