ファビアンのチーズショップ Fromage et ses amis 訪問の記
2024年11月27日投稿
■自分のお店を持ったファビアン
2008年から2018年まで10年間、日本でチーズ商として活躍したファビアンのことを覚えていらっしゃる方は多いと思います。
東急東横店B1にあったフェルミエ渋谷店の配属となり、的確な販売に多くの顧客を魅了しました。ワーホリで1年の予定でしたが、もっと働きたいと相談され、フェルミエ社員として採用。私は日本の母として彼を見守っていくことになりました。

2011年3月11日の東日本大震災の放射能汚染を心配し帰国するフランス人が多かったのに、ファビアンは日本にとどまり、積極的に仕事に向き合ってくれました。
2015年にはMondial du Fromage(モンディアル・デュ・フロマージュ)で優勝。
渋谷店、愛宕店の店長をつとめ、毎月開催のサロン会では「今月のチーズ」のコース料理も担当しました。マスコミにも注目されました。
2018年、フランスに帰国後、マルセルプティット社で働き、2019年からは定期的に来日することが決まりました。2020年も来日計画が決まっていたのですが、コロナで全てが中止。
そこでファビアンは意を決し、自分のチーズショップをオープンすることを決めました。
2021年春にオープン。お祝いに駆け付けたかったのはやまやまですが、コロナで2021年、2022年はフランスに行くことはできず、思いがやっとかなったのが今年2月末でした。
■火曜日の夕方のTGVでルマンに!
パリからTGVでルマンまでの旅。まずはホテルにチェックイン。楽しみにしていたファビアンのチーズショップを訪ねたのは水曜日朝でした。
ショップのオモテには、なんと、日本語で手書きのメッセージの看板が出ています。
「日本チーム ようこそ めっちゃうれしい! ありがとう」という文字を見て
私も❝めっちゃ、うれしい!❞
街のはずれにあるこのショップには、チーズを買いに来る人たちが次々と!棚にはファビアンらしく日本酒からしょうゆ、ワサビまでおいてあって、ちょっと嬉しくなりました。
月・火曜日が定休日なので水曜日は忙しい日なのに、地下のカーヴや2Fのオフィスまで丁寧に説明しながら案内してくれました。ペンキ塗りから大工仕事まで自分でやったというファビアンのこだわり。とくに冷蔵庫の音がお店に聞こえない工夫は感動ものです。
ランチを兼ねたチーズビュッフェを用意してくれるというので、しばらくの間、ルマンの旧市街を散歩。前日夜に少し案内してもらったので、事前学習済み!
前日はかわいいリザちゃんにも会えました。
ショップの前は川が流れ、川岸には古代ローマ時代の城壁があり、石造りの家やコロンバージュのかわいい家が連なり、夏は多くの人が訪れるのが理解できます。
橋を渡って小高い旧市街地を歩くと、下に川が見えます。その向こう岸に見えるのがファビアンのショップ。品性のいい街並みが素敵です。町の中ではパン屋さんも開店。週2回、焼いたパンを30キロ離れたこの町まで売りに来ているそうです。
お店に戻ると、Fabienのパパとママが待っていてくれました。
私はFabienの日本のママ。お互いに息子の活躍に目を潤ませて喜びを語ってきました。
お昼少し前に、カナダ国境にあるアメリカはヴァーモント州のジャスパーヒルのチーム4人が到着。彼らと一緒にファビアンオリジナルのチーズビュッフェを楽しみました。
ファビアンはアイデアもセンスも抜群のプレゼンをします。熟成チーズ、アレンジしたチーズは胡椒や柚子、オリーヴオイル、バターなど、隅々にファビアンのこだわりが感じられます。
ジャスパーヒルのブルーとハードタイプもありました!
コンテは卵とトリュフで。ワインも日本酒もあり、話が盛り上がらないはずはありません。
帰りのTGVに乗り遅れないように、少しだけチーズを買って再訪を約束してパリに戻りました。